ハンガリーホッケー
Posted by japanstats on 2008 May 2日 Friday
近年成長目覚しく、先月札幌での世界選手権ディビジョンI B では全勝して(日本戦は延長になるべきでしたが)見事トップディビジョン昇格の切符を勝ち取ったハンガリー代表。ジュニア世代でも着実に力をつけてきていますので、今回の優勝と昇格を運のみでは語れません。
そして代表が帰国した時には、なんと約1000人ものファンに出迎えられたそうです!もし別の年に日本が昇格を果たしていたら、1000人ものファンに空港で出迎えられたでしょうか、残念ながらなんか無さそうな気がします。それだけ今ハンガリーではホッケー人気が上がってきてるという事ですね。この様子はNHL.com でも取り上げられました。
しかし、この記事で私が一番興味を持ったのは、ハンガリーのクラブチームAlba Volan についての差込記事の方でした。このチーム、オーストリアのホッケーリーグEBHL (スロベニアからも2チーム参加)と、国内リーグの両方にチームを出しました。結果は、一軍で挑んだレベルの高いオーストリアリーグでは惨敗、ダントツビリの10位でした(アジアリーグの中国シャークスみたいに)。そして若手主体で戦った国内リーグでは7チーム中6位、しかしオーストリアで戦ってた選手達がプレーオフに戻ってきて、見事にプレーオフを制覇して決勝では隣国ルーマニアのチームを下し優勝!
ここで興味深い事は、ハンガリーホッケーはアジアリーグみたいな形の参戦を2リーグ分で行っているという事。オーストリアリーグに参加している姿は中国シャークスと被りますが、中国との違いはそこで力を付けているという事でしょう、アジアリーグ参戦のお陰で確実に韓国ホッケーは強くなってきてるのに、何故中国には同じ効果が出ないんだろう?そして国内リーグのプレーオフでは決勝でルーマニアのチームとぶつかりました、これは逆にハンガリーが主体なのでアジアリーグでは国内チームの優勝して当然の立場なのです。そして、ハンガリーリーグに参加してる事によって、ルーマニアも力を付けているんでしょうね。
国際リーグに参加して自国代表を強化して、国内リーグを隣国チームを開放して隣国の代表の強化にも繋がっている。正しく国際ホッケーリーグの理想の形ですね。そして日本はというと、アジアリーグで韓国と中国の強化に胸を貸している形になりますが、残念ながら日本のチームが強いリーグに参加して日本代表の強化に繋がるような事は起きていません。
どうしたらこのような状況を打開できるのでしょうか?またアムール(やカザフスタンのチーム)に本気でアジアリーグに参加してもらう、というのも一つの手ですし、もしシベリアリーグが存在していてそこそこのレベルであれば、日本のチームを送り込みたいですね。もしそうでなくとも、ハバロフスクとウラジオストクのチームとは定期戦を組んで欲しい。アジアリーグと日ア連は、あと数歩足りないんですね…(札幌大会の開催側、宣伝等皆無のやる気の無さには失望しましたが)。
Beograd said
とても示唆に富む記事です。日本からすれば、日本より同等以上のリーグに参入しなければ意味が薄いと。現ロシアリーグで言えば、スーパーリーグの直下の1部リーグ東地区でしょうか。それより下では期待されるものは得られないのではないでしょうか。
ハバロフスクのマスコミの方に、日本のトッププレーヤーが、アムールでプレーすることはできないか、直接尋ねたところ、即座に「ありえない」と答えが返ってきたことを覚えています。日本に対する関係者以外の評価は思いのほか低いな、と思わずにいられなかったですね(アムール等ロシア関係者からの評価は知りません。評価が低い直接的理由は忘れてしまいましたが)。ゴールデンアムール在りし日のアジアリーグの評価が遠因かどうか。
日本連盟も、極東地域にアイスアリーナが続々建設されるとの情報をつかんではいるようですから、水面下では「点と点を結ぶ」アクションを起こしてるのではないでしょうか?それが記事に示されてるような理想的な形でなければ、中長期的な強化はほとんど望み薄ですね。残念やるかたないですが。