プロ野球とメジャーの攻撃データ比較
Posted by japanstats on 2008 May 5日 Monday
まだまだ序の口ですが、とりあえずNPB とMLB の攻撃データを表面的に比較してみました。
R/G |
Year・年 |
CL・セ |
PL・パ |
NPB |
AL・ア |
NL・ナ |
MLB |
平均試合 |
2005 |
4.40 |
4.46 |
4.43 |
4.76 |
4.45 |
4.59 |
得点 |
2006 |
4.12 |
3.92 |
4.03 |
4.96 |
4.76 |
4.86 |
|
2007 |
4.11 |
3.94 |
4.03 |
4.90 |
4.71 |
4.80 |
OPS |
Year・年 |
CL・セ |
PL・パ |
NPB |
AL・ア |
NL・ナ |
MLB |
|
2005 |
0.739 |
0.739 |
0.739 |
0.754 |
0.744 |
0.749 |
|
2006 |
0.712 |
0.705 |
0.709 |
0.776 |
0.761 |
0.768 |
|
2007 |
0.724 |
0.701 |
0.713 |
0.760 |
0.756 |
0.758 |
日本の野球は上から下まで主にスモールボール重視(WBCはタイムリーな長打で勝ちましたが)だけど、2005年のNPB とMLB の攻撃は、得点とOPS(出塁率+長打率)という点では良く似ていて、これには自分は少し驚きました。まあ、それからの2年間はイメージ通りのデータで、プロ野球の方が少ない点を守り勝つスタイルでした。2004年以前がどうだったのか興味をそそられます。
記事の続きは次行のリンクからどうぞ。
さて、何がこの得点力の違いを生んだのでしょうか?今度は別のデータを見てみましょう。
SH/G |
Year・年 |
CL・セ |
PL・パ |
NPB |
AL・ア |
NL・ナ |
MLB |
試合平均 |
2005 |
0.64 |
0.55 |
0.60 |
0.21 |
0.44 |
0.33 |
犠打 |
2006 |
0.75 |
0.81 |
0.78 |
0.20 |
0.46 |
0.34 |
|
2007 |
0.89 |
0.81 |
0.85 |
0.22 |
0.40 |
0.31 |
SB/G |
Year・年 |
CL・セ |
PL・パ |
NPB |
AL・ア |
NL・ナ |
MLB |
試合平均 |
2005 |
0.42 |
0.47 |
0.44 |
0.54 |
0.52 |
0.53 |
盗塁 |
2006 |
0.44 |
0.55 |
0.49 |
0.55 |
0.59 |
0.57 |
|
2007 |
0.42 |
0.62 |
0.52 |
0.60 |
0.60 |
0.60 |
バント数の違いは一目瞭然、そして期待通りですが、ここ3年でバントが増えてる事には少し意表をつかれています、そういう傾向があったとは思わなかったので…が、このバントの増え方と得点の減り方が上手く連動しているようにも取れます。どうでしょう?反対に、ビッグボールのイメージとは逆にメジャーの方がよく盗塁してます。ですが、盗塁率と得点の直接的な関係はここでは見られません。面白い事にパでは盗塁が増えているけれど、セは横ばいです。
データ比較をあともう二つ。
AVG |
Year・年 |
CL・セ |
PL・パ |
NPB |
AL・ア |
NL・ナ |
MLB |
打率 |
2005 |
0.270 |
0.267 |
0.268 |
0.268 |
0.262 |
0.264 |
|
2006 |
0.263 |
0.261 |
0.262 |
0.275 |
0.264 |
0.269 |
|
2007 |
0.265 |
0.262 |
0.263 |
0.270 |
0.266 |
0.268 |
BB/G |
Year・年 |
CL・セ |
PL・パ |
NPB |
AL・ア |
NL・ナ |
MLB |
試合平均 |
2005 |
2.91 |
2.82 |
2.87 |
3.01 |
3.24 |
3.13 |
四球 |
2006 |
2.55 |
2.81 |
2.68 |
3.20 |
3.32 |
3.26 |
|
2007 |
2.87 |
2.61 |
2.74 |
3.31 |
3.31 |
3.31 |
予想通り打率は得点(そして得点から来る勝ち試合)には直接結びついてないみたいです、これは後日もっと掘り下げてみる価値があります。四球率の違いは、OPS の違いの一部として現れているように見えるでしょう。四球率の違いの原因としては、プロ野球ではクリーンアップ以外からはホームランを打たれる心配があまり無いので、メジャーよりは打者に対して勝負しやすい、という固定概念とは逆の結果かもしれません。日本だと遊び球が多かったりして球数も多いので、四球率にこのような差が出るとは少し意外でしたが、OPS の違いを見ると分かるような。あと、日本の方がコントロール重視のピッチャーが多いかもれしれないというのもありますね。メジャーのスカウトはとにかく豪腕を好みます、どんなにコントロールが悪くても(こういうケースが良く見られます)。まあ、理由は繋がってますけど。
今回のデータで少なくとも繋がりが見えるのが得点とOPS(打率ではなく)、そして得点と反比例しているのが犠打数(でも去年はリーグ最少得点の日ハムが優勝しました…)。少なくとも日本人選手がメジャーに行った時にどれだけ活躍できるかは、もう少し予測しやすくなったかな(適応能力という個人差でかなり決まりますが)。あと、サンプルサイズが3年分のデータだけという事も、いろいろと今回は結論に至れなかったという原因の一部かもしれませんが、まあこれから気長にいろんなデータを掘り下げて行きます、NPB内の球団比較とかも含めて。
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